先日投稿した松井証券FXの特徴、スワップポイント50%増額の結果が良かったので口座開設をする前に松井証券MATSUI FXのことを調べていたら、自分が現在使っているFX業者とロスカットルールが違ったので記事にしてみました。
- レバレッジ
てこの原理のことで、レバレッジを使って自己資金よりも大きい金額の取引をします。
国内のFX業者はレバレッジ25倍が最大と定められています。 - 実効レバレッジ
純資産に対して何倍の取引をしているかを示した数値です。
(保有ポジション額÷純資産=実効レバレッジ) - ロスカット
マイナス損益の取引の決済をします。 - 強制ロスカット
証拠金維持率が一定の割合を下回った場合、マイナス損益の取引をFXのシステムが強制的に決済をします。 - ロスカット率
強制ロスカットが執行される証拠金維持率の数値です。 - 証拠金維持率
必要証拠金に対する純資産の割合で、保有ポジションにかかる必要証拠金の余力を示した数値です。
純資産÷必要証拠金×100=証拠金維持率
※多少ですが、サイトやFX業者によって表現、認識、説明の違いがありますのでご注意ください。
強制ロスカットのルール
強制ロスカットのルールはFX業者でそれぞれ違いがあるので、取引を始める前に必ず確認しましょう。
強制ロスカットのタイミング
強制ロスカットが執行されるタイミングがあります。
- 証拠金維持率が100%を下回った場合
- 証拠金維持率が100%を下回った後に、強制ロスカット執行のタイミングが来た場合
- ロスカット率を下回った場合
などの違いがあり、さらにロスカット率、判定、執行のタイミングなど違いがあります。
また決済されるポジションにも
- 保有ポジションの全てを決済
- 維持率100%になるまでポジションの一部を決済
などの違いがあり、決済されるポジションの順番も設定できるFX業者もあります。
証拠金維持率が100%を下回った場合というのが分かりやすく、採用されているFX業者が多めです。
追加証拠金やポジションを整理することによって延命することができますが基本的には証拠金維持率100%付近では、強制ロスカットと考えた方が良いですね。
LIGHT FX
【LIGHT FX】は証拠金維持率が100%を下回った場合すべてのポジションが一斉に強制決済が執行します。
LION FX
LION FXは、証拠金維持率が100%を下回った場合数秒(1~10秒)の判定後、約定日時が古いポジションから順に強制決済が執行します。
松井証券MATSUI FX
松井証券MATSUI FXは判定のタイミング(夏5:55冬6:55)時に証拠金維持率が100%を下回った場合翌営業日の15:00にすべてのポジションが一斉に強制決済が執行します。
翌営業日の15:00までに、追加証拠金、ポジション整理(自分で決済)をすることで強制ロスカットの回避をすることができます。
注意点としては、判定のタイミング(夏5:55冬6:55)で証拠金維持率100%に足りない分を追加証拠金(FX取引口座へ入金)、ポジション整理(自分で決済)で補填しなければなりません。
仮に、相場が回復して15:00までに証拠金維持率が100%を回復をしても証拠金維持率100%に足りない分を追加証拠金(FX取引口座へ入金)、ポジション整理(自分で決済)で補填しなければなりません。
例
判定のタイミング(夏5:55冬6:55)証拠金維持率95%の場合、5%分の追証が発生します。
5%分の追証が発生しているので、15:00の段階で証拠金維持率が120%でも5%分の追証または5%分のポジション決済がないと強制決済が執行します。
また、ロスカット率に達した場合判定のタイミングに関係なく、すべてのポジションが一斉に強制決済が執行します。
ロスカット率
松井証券MATSUI FXはロスカット率を選択することができます。
ロスカット率初期設定は50%で、
50%、60%、70%、80%、90%から選択することができます。
※ロスカット率を下げることでロスカットが執行されるまでの値幅が大きくなりますが、最大損失額が大きくなります。
逆にロスカット率を上げることでロスカットが執行されるまでの値幅が小さくなりますが、最大損失額が小さくなります。
レバレッジと強制ロスカットの関係
これからFXを始めようと考えている人でハイレバレッジは強制ロスカットになる、危険、財産を失うという印象があるかと思います。
ハイレバレッジにすることで大きい利益を出すことができますが、逆に大きい損失を出す原因になります。
また、大きいレバレッジは資産を失うまでの速度を速めます。
この辺りは間違いがないのですが、必ずしも
- ハイレバレッジ=強制ロスカット
- 強制ロスカット=危険、財産を失う
ではないということがあります。
レバレッジの選択
松井証券MATSUI FXではレバレッジを、1倍(レバレッジなし)、5倍、10倍、25倍(トルコリラ円のみ12.5倍)から選ぶことができます。
コース | レバレッジ | 証拠金率 |
---|---|---|
レバレッジなしコース | 1倍 | 100% |
低レバレッジ5倍コース | 5倍 | 20% |
低レバレッジ10倍コース | 10倍 | 10% |
スタンダード25倍コース | 25倍 | 4% |
レバレッジなしコースのレバレッジ1倍、証拠金率100%があんぜんで強制ロスカットになりにくいというイメージになるかと思います。
証拠金シミュレーター
松井証券MATSUI FXの証拠金シミュレーターを使って、レバレッジや証拠金率を使って違いを確認してみます。
入力内容
証拠金シミュレーションをするのに必要な情報
- レバレッジ
25倍、10倍、5倍、1倍、法人から選択 - ロスカット率
50%、60%、70%、80%、90%から選択 - 通貨ペア
20通貨ペアから選択 - 建玉レート
建玉レートを入力
(現在レートを指定をクリックすると現在のレートが反映される) - 取引数量(万通貨)
取引数量を万通貨単位で入力 - 売買
売買を選択 - 純資産(円)
FX口座の純資産(円)を入力
を選択、入力して計算をクリックします。
必要な情報を選択、入力して計算をクリックすると
- 建玉レート
- ロスカットライン
- 建玉レートとの差額
- ロスカット率-%
- 追加証拠金発生ライン
- 建玉レートとの差額
口座証拠金維持率 100% - 必要証拠金
- 最大発注数量
に計算結果が反映されます。
それでは入力してみますが、分かりやすくするために
- 米ドル円
- 1ドル100円
- 1,000,000円の純資産
で入力します。
(実効レバレッジは1倍)
入力内容と数値の確認
さきほど入力した内容で計算をした結果です。
強制ロスカットになるレート、追証が発生するレート、最大発注数量が簡単に分かります。
緑枠部の
ロスカットラインは強制ロスカットのラインです。
196.078円になると追証に関係なく強制的にポジションの決済が執行されます。
建玉レートとの差額は強制ロスカットまでのpips数です。
為替レート1円が100pipsなので9,607.8pipsということになります。
レバレッジ25倍を変更しても、ロスカット率50%を変更しても、数値が変わります。
橙枠部の
追加証拠金発生ラインは、追加証拠金の発生する証拠金維持率100%までのラインです。
(松井証券MATSUI FXは判定のタイミング(夏5:55冬6:55)時に証拠金維持率が100%を下回った場合に発生します。)
建玉レートとの差額は、追加証拠金の発生する証拠金維持率100%までのpips数です。
為替レート1円が100pipsなので9,230.7pipsということになります。
レバレッジ25倍を変更すると数値が変わります。
ロスカット率50%を変更しても数値は変わりません。
青枠部の
必要証拠金はレバレッジ25倍で取引数量(万通貨)が1万通貨なので4万円になります。
最大発注数量は純資産が100万円で必要証拠金が4万円なので25万通貨になります。
レバレッジ25倍を変更しても、取引数量(万通貨)を変更しても数値が変わります。
ロスカット率50%を変更しても数値は変わりません。
レバレッジを変更して確認
初期設定のレバレッジ25倍を10倍、5倍、1倍に変更すると何が変わるのか比較します。
レバレッジ10倍
レバレッジ10倍です。
190.476
9,047.6
181.818
8,181.8
100,000円
100,000通貨
レバレッジ5倍
レバレッジ5倍です。
181.818
8,181.8
166.666
6,666.6
200,000円
50,000通貨
レバレッジ1倍
レバレッジ1倍です。
133.333
3,333.3
100
0
1,000,000円
10,000通貨
レバレッジ変更による違いと考え方
レバレッジのコースを低くすると、ロスカットラインや追加証拠金発生ラインまでの値幅が狭くなり、必要証拠金が増えたのが分かるかと思います。
※前半にも書きましたが、分かりやすくするために1ドル100円、10,000通貨、純資産1,000,000円で取引をしたシミュレーションしています。
レバレッジ変更による違い | ||||
レバレッジ | ||||
---|---|---|---|---|
25倍 | 10倍 | 5倍 | 1倍 | |
ロスカットライン | 196.078円 | 190.476円 | 181.818円 | 133.333円 |
建玉レートとの差額 | 9,607.8pips | 9,047.6pips | 8,181.8pips | 3,333.3pips |
追加証拠金発生ライン | 192.307円 | 181.818円 | 166.666円 | 100円 |
建玉レートとの差額 | 9230.7pips | 8181.8pips | 6666.6pips | 0pips |
必要証拠金 | 40,000円 | 100,000円 | 200,000円 | 1,000,000円 |
最大発注数量 | 250,000通貨 | 100,000通貨 | 50,000通貨 | 10,000通貨 |
レバレッジ1倍コースでは、追加証拠金発生ラインが100円になり、すぐに追証が発生することになります。
このシミュレーションによって必ずしも高レバレッジ=ロスカット、低レバレッジ=安全という事ではないのが分かるかと思います。
100万円を入金してレバレッジ1倍だと安心して1万通貨の取引をすると、すぐに追証の判定になってしまいます。
(判定のタイミングは夏5:55冬6:55です)
レバレッジ1倍コースと実効レバレッジ
レバレッジ1倍コースで取引をするということは、必要証拠金が1倍になるとういう事になるので
(1ドル100円で1万通貨取引するのに最低100万円必要)
ロスカットにならないように取引をすることを考えると実効レバレッジは1倍よりも低く設定しなければなりません。
こちらの画像は純資産2,000,000円に増やしたシミュレーションです。
純資産2,000,000円に増やしたことにより
ロスカットラインが133.333円から200円
追加証拠金発生ラインが100円から150円になり
追加証拠金発生ライン、ロスカットラインまでの値幅が広くなりますが
2,000,000円で1,000,000の取引をすることになるので、運用効率が悪くなります。
このときの実効レバレッジは0.5倍になります。
1,000,000円(必要証拠金)÷2,000,000円(純資産)=0.5倍(実効レバレッジ)
このことから、
レバレッジ25倍コースで実効レバレッジ1倍で取引をするよりも
レバレッジ1倍コースで実効レバレッジ1倍で取引をする方が強制ロスカットが執行されやすいということが分かるかと思います。
(強制ロスカットが執行されやすい理由は、資産を大きく減らす前にロスカットが執行されるという事です。)
最後に
ルールがややこしい割には説明がわかりにくいですよね。
自分もそうだったのですが投資コストが低いという事から外貨預金の代わりにFXを利用するという方も少なくないと思います。
レバレッジ1倍コースで運用してしまうと外貨預金よりも投資に必要な資金が多くなり運用効率が悪くなったり
ロスカットになって再度取引をしているとコストもあまり変わらなくなってしまいますね。
自分の取引ルールによっていくつかのFX業者を使い分けることがあったり、FX業者の乗り換えの検討などすることがあるかと思いますが、取引を始める前にロスカットルールやレバレッジは確認しておいた方がいいですね。
とくにトルコリラ円は25倍で取引できるところが少なく(現在あるのか分かりません)、どこのFX業者も急にレバレッジが変更という前例もあります。
こちらは2021/12/27の【LIGHT FX】のお知らせです。
25倍から15倍になり現在は10倍になっています。
レバレッジ、ロスカットの仕組みを理解していないとどうなってしまうのか分からないですよね。
次回はレバレッジと実効レバレッジについて書いてみようと思います。
投資に関する注意事項
このブログで紹介をしている情報は元本や利益を保証するものではありません。為替の取引を行っている以上、為替相場の変動、政策金利の変動などによる損失が発生する可能性があります。
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